日本が初めて議長国を務めた「G20大阪サミット」の令和元年6月29日(2日目)に行われた配偶者プログラム昼食会において、企画コーディネート及び鮨を通じて日本文化を伝えるおもてなしを担当致しました。
国内最大級の大きさの天井ステンドグラス、寄木貼の床、大阪城が望める東窓などをもつ歴史ある大阪府庁舎の正庁の間に鮨カウンターを作り、安倍総理夫人及び世界各国から来日された首脳・国際機関の配偶者の皆様に、日本の文化・鮨でおもてなしをさせていただきました。 鮨カウンターは伝統工芸品である包丁やお皿を使い、樹齢300年以上の檜のまな板の上で、洗練された漁法でとれた日本特有の魚市場を通った魚が、職人の熟練の技で一貫の鮨になります。茶室のごとく日本文化の多くを内包する、総合芸術としての奥深い世界があることをゲストの皆様に感じていただけるように。限られた時間内にご紹介したい日本の文化は数多くありましたが、お客様にご満足いただけることを第一に、G20・大阪配偶者プログラム同日のシンポジウムのテーマに沿う形で「持続可能性」「平和」「環境問題・海洋保全」などのキーワードを掲げ、「水無月」「七夕」などの季節感、一期一会の取合せを考慮し、大阪寿司や関西の魚や野菜を使うなど、今回の大阪でのG20ならではのおもてなしをイメージし企画・コーディネートすることを意識しました。
松乃鮨4代目 SUSHI アンバサダー 手塚良則氏とともに約半年間に及ぶ鮨メニュー開発の結果、宗教・アレルギー・嗜好などゲストの皆様からのリクエストに沿う形でお一人一人のお名前入りの短冊形メニュー表を作成の上、個別に何通りにも及ぶメニューを設計し、日本の食材の素晴らしさを表現するため、魚のみならず、野菜、お肉も厳選し、こだわりを持ってご用意させていただきました。状況により、提供時間、席順などが当日スタート間際まで変更が予想されることから、その提供方法についても綿密にシミュレーションを繰り返し、調理・サービスオペレーションを設計しました。
これまでの日本文化に関わる豊富な企画経験、海外生活で養った国際感覚・ワインエキスパート・唎酒師・食関係の資格を活かし、日本酒や日本ワインをはじめとするドリンクメニューを決定し、テーマにあわせたこだわりの器(漆芸蒔絵人間国宝 室瀬和美氏による漆器・古伊万里再生プロジェクトの皿他)や小物を揃えテーブルをコーディネートし、空間を彩る花(京都・花政様)・花器(500年前の信楽焼の壺)・屏風(高精細デジタルアーカイブで再現された「松島図屏風(俵屋宗達作)」「八橋図屏風(尾形光琳作)」)などの室礼、カウンター・のれん・床面の装飾など空間を彩る要素全てにストーリーをもたせるべく丁寧に組み立てました。
昼食会の冒頭に、世界各国から来日された首脳・国際機関の配偶者の皆様にプレゼンテーションによって鮨文化・日本食文化の世界観を体感いただいた後に、おまかせコースでお鮨をご堪能いただき、後半は本格的な鮨屋のカウンターでの体験と同様にお好みで自由にお鮨をお楽しみいただきました。
国内で開催した史上最大規模の首脳会議「G20」に関連する企画で、世界各国から来日された首脳・国際機関の配偶者の皆様にカウンターで日本の食・鮨を囲み、豊かな時間をお過ごしいただけたこと、日本の文化・鮨文化にご興味をお持ちいただけたこと、ゲストの皆様の笑顔を間近で拝見できる距離感でおもてなしをさせていただけたこと、貴重な機会を大変光栄に思います。 安倍総理夫人及び世界各国から来日された首脳・国際機関の配偶者の皆様、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
▼G20大阪サミット 2日目(6月29日)のプログラム公式情報 https://g20.org/jp/topics/partner_02.html https://g20.org/jp/photos/day2.html
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