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『史実』から『ドラマ』へ/疱瘡と江戸庶民信仰【神田明神・明神塾「未知の時代を歴史に学ぶ」】令和三年第3回開催レポート

神田明神様の文化事業の一つ現代の寺子屋「明神塾」。ウィズコロナ時代に、現代人が新たな生活様式に踏み出すためのヒントを江戸の社会に探るシリーズ「未知の時代を歴史に学ぶ」第三回を開催しました!

先生方、参加者の皆様とともに正式参拝をした後に、会場の文化交流館地下一階に移動しスタート。

第一部は、大加章雅ー様から「『史実』から『ドラマ』へ ~大河ドラマ制作の過程~」をテーマに。

内助の功の代名詞とも言える山内一豊の妻・千代と、桶狭間から関ヶ原までの戦国時代を駆け抜け土佐24万石の大名となる夫・一豊。2人の愛、知恵と勇気で戦国を駆け抜け、一豊が一国一城の主となるまでを描いた大河ドラマ『功名が辻』の迫力ある映像を交え、大河ドラマ制作の過程、秘話をお話しいただきました。

主人公の山内一豊の人生をサラリーマンの設定になぞらえてみたり、幅広い世代の視聴者の心をつかみ、共感や感動を与えるストーリーづくりの裏側、その醍醐味を味わうことができました。

第二部は滝口塾長から「疱瘡と江戸庶民信仰」をテーマに。

江戸時代に流行し最も恐れられた疫病「疱瘡」除けにまつわる江戸庶民の信仰について。

擬人化した「疱瘡神」が疱瘡を蔓延させるととらえられ、疱瘡神が各地の神社に祀られたり、疱瘡神送りの祭事が行われたり、疱瘡神を家の中にいれないように詫び証文や疱瘡除けのお札が家の門口に貼られたり…

人口過密都市・江戸における伝染病の流行は、江戸時代の庶民にとって非常に深刻な問題であり疫病除けの信仰が盛んになった様子を江戸時代の歴史史料をひもときながらご紹介いただき、ウィルスの脅威を乗り越えてきた先人たちの知恵、歴史から、コロナ禍の今を改めて考え乗り越える上でのヒントをいただきました。

お集まりくださった皆様、大加様、滝口塾長、神田明神関係者の皆様、ありがとうございました!

次回の明神塾は9月11日(土)に開催予定です。
第一部は、浮世絵研究家、美術史家の山本野理子氏をゲストとしてお迎えし「江戸っ子が愛した魑魅魍魎―お化け浮世絵の世界―」をテーマに。
第二部は、安藤塾長より「種痘の普及と西洋医学の台頭」 をテーマにお話いただく予定です。

単回でのご参加・直前のお申込も受け付けております。また、オンライン受講も可能ですので、よろしければお申し込みください。
神社を江戸をもっと身近に感じてみませんか?
皆様のご参加、お待ちしております!

また、7月16日(金)まで「神田明神オンライン博物館」を開館するため、クラウドファンディングを実施中です。神田明神様の文化的財産ともいえる歴史資料を未来に継承していくため、皆様からのご支援をよろしくお願いします。

終了後にはこの日、ご参加くださった絵馬師の友人 永崎ひまるさんがお納めされた神田明神ご本殿のだいこく様大絵馬をひまるさんと一緒に見に行き、新型コロナの一日も早い収束、平和な日常を取り戻すことができるようお祈りしました。

■明神塾「未知の時代を歴史に学ぶ」

第4回 9月11日(土)
 第1部「江戸っ子が愛した魑魅魍魎 ―お化け浮世絵の世界―」山本野理子氏(浮世絵研究家、美術史家)
 第2部「種痘の普及と西洋医学の台頭」安藤優一郎先生

第5回 10月9日(土)
 第1部「キュアとケア 現代医療と伝統医療における多様性と調和」 稲葉俊郎氏(軽井沢病院医師・医学博士)
 第2部「幕末のコレラ騒動」 滝口正哉先生

第6回 11月13日(土)
 第1部「江戸勤番侍の食生活」安藤優一郎先生
 第2部「麻疹流行とはしか絵」滝口正哉先生

■開催時間
10:00 受付 / 10:15〜 昇殿参拝
10:25 ~ 11:25 第1部 / 休憩 / 11:30 ~ 12:30 第2部
会場:神田明神 文化交流館B1

受講料:3,500円

▼詳細はこちら
https://edocco-studio.com/myoujinjyuku2021/