江戸の水産物【神田明神「明神塾」江戸の美と匠の世界】2018年度第6回開催

今年で21年目となる神田明神様の歴史ある文化事業 明神塾 「江戸の美と匠の世界」を学ぶシリーズ企画。「江戸の工芸」「音楽」「服飾」「娯楽」「蕎麦」文化に続く今年度第6回「江戸の水産物」を開催しました!

正式参拝後、


前半は、「江戸の水産物〜将軍と魚市場」 をテーマに安藤塾長から将軍の食膳にのぼった水産物の調達システムなど、知られざる江戸の水産物文化についてのお話を。1日に千両も落ちると称されたほどの活況を呈し、水産物の江戸城納入という大きな役割を担った日本橋の魚市場の誕生と発展、江戸の巨大都市化に伴い水産物の需要が拡大し漁業の大規模化が進み漁法が発展していった経緯、その一方で水産物の枯渇をうけ養殖が進んだこと。将軍の食膳にのぼった魚介類についてなど…。

後半は、ゲストとして山本海苔店 代表取締役副社長 山本泰人氏をお迎えし、

海苔や山本海苔の歴史、海苔にまつわるここただけのお話をじっくりとうかがいいました。


1849年に室町に山本海苔を創業。二代目の時代に「海苔は山本」の名声が確立された経緯、また明治天皇が京都へ御行幸の際の東京からのお土産として創案されたという「味付海苔」誕生秘話。


海苔の三大発明:1)海苔を「すく」という江戸期の日本人の知恵 2)1849年 味付海苔の発明(山本海苔)3)1949年イギリスの女流海藻学者による海苔の胞子が貝殻の内層に侵入しコンコーセリスを形成することの発見(この発見が海苔の養殖につながる)について。
山本海苔の「口溶け」「風味」を大切にする仕入のポリシー。

今後の課題・挑戦として、大量生産型が増える中で海苔がつまらないものにならないように、美味しい海苔を追求し続けること、食生活の多様化の中で洋食にもあう海苔、スナックとしての海苔など時代の変化とともに形を変え新しい提案をしていくことについて、また個人的には、日本橋の川の水を綺麗にすることにも取り組んでいきたいというお話も印象的でした。

ご参加くださった皆様、山本様、安藤塾長、神田明神の皆様、ありがとうございました‼

今回が本年度最終回となりました。全6回皆勤賞の皆様の修了証の授与式も。

来月開館予定の文化交流館も外観はすっかり完成!


来年の明神塾は、この新しく誕生する文化交流館にちなんで新たに「江戸・東京の伝統文化と交流」をテーマに開催予定です。
来年度第1回は4月17日(水)「江戸・東京の文化交流」をテーマに開催予定です。少し先の日程になりますが、ご興味のある方、ぜひいらしてください!
どうぞお楽しみに!

<2019年度『 明神塾 巻之22』>
年間テーマ『江戸・東京の伝統文化と交流』
4月17日(水) 第1回「江戸・東京の文化交流」
6月19日(水) 第2回「江戸・東京の祭礼文化」
7月17日(水) 第3回「江戸・東京の炭文化」
9月18日(水) 第4回「江戸・東京の菓子文化」
10月16日(水) 第5回「江戸・東京の肉食文化」
11月20日(水) 第6回「江戸・東京の講談文化」



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